和菓子種類どのくらい?春夏秋冬季節ごと

和菓子ってお菓子の世界だと洋菓子を
想像されるかたも、いらっしゃると思うのですが
伝統的な和菓子作りには、師弟関係があり
そういった人間関係も学ぶ事ができる深さがあります。

わらび餅も、材料一つで全く違う味わいになります。
是非、楽しんで作ってみてください。

1. 和菓子とは?洋菓子との違いと特徴

和菓子は、日本で発展してきた伝統的なお菓子の総称です。
砂糖・小豆・米・小麦粉・寒天・葛・きなこなど、穀物や豆、海藻といった素材を中心に作られ、四季や行事を意識した色・形・名前がつけられているのが特徴です。

洋菓子と比べると、バターや生クリームなどの油脂は控えめで、あんこや餅生地のやさしい甘さが主役。お茶との相性がよく、茶道の世界とも深く結びついています。

和菓子の種類は非常に多く、地域やお店ごとのオリジナルも含めると数え切れないほどありますが、まずは「水分量」と「製法」の2つの視点で整理すると理解しやすくなります。

2. 和菓子は大きく3種類|生菓子・半生菓子・干菓子

和菓子は、水分量の違いから一般的に次の3種類に分類されます。

  • 生菓子(なまがし):水分が多く、しっとり・みずみずしい和菓子
  • 半生菓子(はんなまがし):生菓子と干菓子の中間で、ほどよく水分を含む和菓子
  • 干菓子(ひがし):水分が少なく、日持ちしやすい乾いた和菓子

呼び名はシンプルですが、ここに代表的な名前を紐づけて覚えると、一気に整理しやすくなります。

2-1. 生菓子の種類と代表例

生菓子は、水分が多く柔らかい口当たりが特徴の和菓子です。保存期間が短いぶん、できたての風味や季節感が楽しめる“ごちそう系”の和菓子ともいえます。

代表的な生菓子の例:

  • 大福:餅生地であんこやクリーム、果物を包んだ定番菓子(いちご大福などのバリエーションも人気)
  • おはぎ・ぼたもち:もち米を炊いたごはんにあんこをからめた行事菓子
  • 練り切り:白あんにぎゅうひなどを加えた生地を成形した、茶席向けの上生菓子
  • 桜餅・柏餅:季節の行事(ひな祭り・端午の節句)に欠かせない行事菓子
  • 水ようかん・葛まんじゅう:つるっとした食感が魅力の夏向け冷菓

2-2. 半生菓子の種類と代表例

半生菓子は、適度な水分を残しつつも、数日〜1週間ほど日持ちする種類の和菓子です。手土産や贈答、持ち歩きするシーンでも重宝されます。

代表的な半生菓子の例:

  • どら焼き:ふんわりした生地であんこをはさんだ人気No.1クラスの和菓子
  • 最中:香ばしい皮であんこや求肥、栗などをはさんだ菓子
  • 羊羹(煉ようかん):寒天とあんこを固めた棒状の和菓子で、お土産の定番
  • 桃山:白あんに卵黄などを加えて焼き上げた、しっとりした焼き菓子
  • 甘納豆:豆を砂糖でじっくり煮て乾かした豆菓子

2-3. 干菓子の種類と代表例

干菓子は、水分量が少なくて乾いたタイプの和菓子です。保存性が高く、茶道では主菓子(生菓子)とは別に、薄茶に添えられることも多い種類です。

代表的な干菓子の例:

  • 煎餅(せんべい):米や小麦を使ったパリッと香ばしい焼き菓子
  • 落雁(らくがん):砂糖や米粉などを型で押し固めた、口どけの良い干菓子
  • 金平糖:トゲトゲした形が特徴の砂糖菓子
  • あられ・おかき:餅を乾燥させて焼いたり揚げたりした米菓
  • 和三盆の干菓子:上品な甘さの高級砂糖を使った打ち菓子

3. 製法別で見る和菓子の種類(餅物・焼き物・蒸し物など)

水分量による3分類に加えて、和菓子は「どう作るか(製法)」でもよく分類されます。代表的なものを押さえておくと、商品説明やメニューを見たときにも理解しやすくなります。

  • 餅物:大福、草餅、柏餅、豆大福、ずんだ餅など
  • 焼き物:どら焼き、今川焼き、カステラ、桃山、もみじ饅頭など
  • 蒸し物:蒸し羊羹、薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)、ういろうなど
  • 流し物:羊羹、水ようかん、寒天を使った錦玉羹(きんぎょくかん)など
  • 練り物:練り切り、求肥(ぎゅうひ)、きんつばなど
  • 揚げ物:かりんとう、揚げ饅頭、あんドーナツなど
  • 打ち物(押し物):落雁、和三盆の干菓子など

同じ「大福」でも、いちごを入れたもの・クリームを入れたもの・ずんだあんを使ったものなどバリエーションが豊富で、素材の組み合わせ次第で無限に“種類”が増えていくのも、和菓子の面白さです。

4. 季節別の和菓子の種類|春夏秋冬の代表例

和菓子は季節を映すお菓子と言われるほど、春夏秋冬の移ろいに合わせた種類が豊富です。季節感を意識して選ぶだけで、ぐっと“通”っぽくなります。

4-1. 春の和菓子

  • 桜餅:塩漬けの桜葉の香りが特徴
  • 草餅(よもぎ餅):ヨモギの香りが春らしい餅菓子
  • 花見団子(三色団子):ピンク・白・緑で春を表現
  • いちご大福:フルーツ大福の代表格

4-2. 夏の和菓子

  • 水ようかん:のどごしのよい夏定番
  • 葛切り・葛まんじゅう:透明感のある涼菓
  • みつ豆・あんみつ:寒天とあんこ、フルーツの組み合わせ
  • わらび餅:ぷるぷる食感にきなこ&黒蜜がよく合う

4-3. 秋の和菓子

  • 栗きんとん:栗そのものの味を楽しむ秋の銘菓
  • 芋ようかん:さつまいもの素朴な甘さが魅力
  • おはぎ:お彼岸の時期に食べられる行事菓子
  • 月見団子:十五夜のお月見に欠かせない団子

4-4. 冬の和菓子

  • 大福:定番ながら、温かいお茶と一緒に楽しみたい冬のおやつ
  • ぜんざい・おしるこ:体が温まる汁ものの和菓子
  • きんつば:甘さ控えめなあんこを薄衣で包んで焼いた菓子
  • 温泉饅頭:旅先での定番土産

5. 人気和菓子ランキングに見る「みんなが好きな種類」

各種ランキングやアンケートを見ると、上位に必ず入ってくる“鉄板”和菓子があります。サイトによって順位は違いますが、特に人気が高いのは次のような種類です。

  • どら焼き
  • 大福(いちご大福など含む)
  • みたらし団子・三色団子
  • わらび餅
  • たい焼き
  • 羊羹
  • 最中
  • 練り切り
  • かりんとう・せんべい
  • 温泉饅頭

どれもコンビニやスーパー、デパ地下、老舗の和菓子屋まで入手しやすく、世代を問わず好まれる定番ばかり。
「どの和菓子を買えばいいか迷う」というときは、このあたりから選べば大きなハズレはありません。

6. シーン別・用途別の和菓子の選び方

和菓子の種類をなんとなく知っていても、「実際にどれを選ぶべきか」で迷う人は多いはず。ここでは、代表的なシーン別におすすめの選び方をまとめます。

6-1. 日持ち重視の手土産・贈答なら

  • 羊羹(煉ようかん)
  • 最中(個包装)
  • かりんとう・あられ・煎餅
  • 落雁・和三盆の干菓子

常温で日持ちする半生菓子〜干菓子が安心です。遠方への発送や、相手のタイミングで食べてもらいたい場合にも向いています。

6-2. 来客のお茶うけ・自宅でのちょっと贅沢なら

  • どら焼き
  • 大福・豆大福
  • 上生菓子(練り切り・きんとんなど)
  • わらび餅・水ようかん(季節に応じて)

「今日〜明日中に食べる」前提なら、生菓子や上生菓子がおすすめ。見た目も華やかで、お茶の時間が一気に特別なものになります。

6-3. カロリー・脂質を意識したいとき

  • 羊羹(少量を薄く切って楽しむ)
  • あんこのみ(お汁粉を控えめに)
  • 寒天を使った錦玉羹・あんみつ

和菓子は洋菓子に比べてバターや生クリームの使用量が少ない一方、糖質はしっかりあるので量に注意が必要です。サイズを小さくしたり、シェアしながら楽しむと罪悪感なく味わえます。

7. まずはここから!初心者におすすめの和菓子5選

「和菓子はあまり食べたことがない」「種類が多すぎて何から試せばいいか分からない」という方は、まず次の5種類から始めてみましょう。

  1. どら焼き:ふんわり生地+あんこの王道コンビ。子どもから大人まで食べやすい定番。
  2. 大福(いちご大福など):もっちり食感&フルーツのジューシーさで和菓子デビューにも◎。
  3. わらび餅:ぷるぷる・とろける口当たりに、きなこと黒蜜が絡む人気者。
  4. 羊羹:小さく切って少しずつ味わうと、お茶時間がぐっと上質に。
  5. 練り切り:四季をモチーフにした造形の美しさに、「和菓子は芸術だ」と感じられる一品。

この5種類を味わうだけでも、生菓子・半生菓子・干菓子のイメージがぐっと立体的になってきます。

8. 和菓子の種類に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 和菓子の種類は全部で何種類くらいあるの?

明確な「総数」は決まっておらず、地域の銘菓や新作も含めると数百種類以上あると考えられています。同じ「大福」でも、中身や形の違いによってさらに細かく種類が分かれていきます。

Q2. 生菓子と半生菓子の違いは何ですか?

一般的には、水分量と日持ちが大きな違いです。生菓子は水分が多く、その日のうち〜数日以内に食べることが前提。一方、半生菓子は生菓子ほど水分が多くないため、数日〜1週間程度の日持ちが目安になります。

Q3. 茶道で出てくる和菓子の種類は?

茶道では、お濃茶・お薄の違いや流派によっても異なりますが、主菓子(おもがし)=生菓子干菓子=干菓子・半生菓子という形で出されることが多いです。練り切りやきんとんなどの上生菓子は、見た目も美しく、茶席の主役級の存在です。

Q4. 和菓子はどこで買うのが良い?

気軽に試したいならコンビニやスーパーの和菓子コーナーで十分ですが、季節感や職人技を味わいたい場合は老舗和菓子店・百貨店の和菓子売り場がおすすめです。地方の銘菓は、オンラインショップやふるさと納税を通じて取り寄せることもできます。

和菓子の種類や名前、由来を知るほど、普段のおやつや手土産選びがもっと楽しくなります。気になるものから少しずつ試して、自分好みの「推し和菓子」を見つけてみてください。

この記事では、和菓子の種類を「水分量」「製法」「季節」「人気」「用途」という切り口で整理しました。ブックマークしておけば、和菓子選びに迷ったときの“辞書”としても使えます。