昆布じめとは?|What is Kombujime?

昆布じめ(昆布締め)とは、刺身用の魚を昆布で挟み、一定時間置くことで昆布の旨味(グルタミン酸)を魚に移す日本の伝統的な保存・熟成法です。
水分が抜けて身が締まり、昆布の香りと旨みが加わることで、味に深みが増します。刺身としてそのまま食べるだけでなく、寿司や酒肴としても重宝されます。

昆布じめの歴史|History of Kombujime

昆布じめは、主に富山や北陸地方を中心に発展してきた伝統料理で、保存技術が乏しかった時代に生まれた知恵の結晶です。
江戸時代から続くとされ、冷蔵庫のない時代には魚の劣化を防ぐ手段として重宝されました。
現代では「熟成魚」の一つとして、旨味を最大限に引き出す技法として高級和食店でも用いられています。

昆布じめの作り方|How to Make Kombujime

材料|Ingredients

  • 刺身用の白身魚または淡白な赤身魚の切り身
  • 昆布(真昆布や利尻昆布など)
  • 日本酒(昆布を拭く用)
  • ラップまたはキッチンペーパー

昆布じめ 作り方(日本語)

  1. 昆布を拭く: 昆布の表面を酒で軽く拭き、汚れを落とす。白い粉(旨味成分)は完全には拭き取らない。
  2. 昆布を柔らかくする: 硬い場合は、霧吹きなどで軽く湿らせてしんなりさせる。
  3. 魚をはさむ: 昆布 → 魚 → 昆布の順に重ねる。
  4. ラップで包む: ラップかキッチンペーパーで全体を包む。
  5. 冷蔵庫で寝かせる: 白身魚は30分〜1時間、赤身魚や脂の少ない魚は1〜3時間を目安に。

Instructions(English)

  1. Wipe the kombu: Gently wipe the kombu with sake to remove impurities. Do not remove the white powder entirely—it contains umami.
  2. Soften the kombu: If stiff, moisten lightly with water to make it flexible.
  3. Sandwich the fish: Place the fish fillet between two sheets of kombu (kombu → fish → kombu).
  4. Wrap: Cover the whole piece with plastic wrap or paper towel.
  5. Let it marinate: Chill in the refrigerator. Marinate white fish for 30–60 minutes, lean red fish for 1–3 hours.

昆布じめに向いている魚一覧|Fish Suitable for Kombujime

日本語名 英語名 備考
鯛(たい) Sea Bream クセが少なく上品な味わい
平目(ひらめ) Flounder 淡白で昆布の旨みが際立つ
かんぱち Greater Amberjack 弾力があり甘みが増す
真鯛(まだい) Red Sea Bream 昆布との相性抜群
さより Halfbeak 白身で繊細な味が引き立つ
いさき Grunt 少し脂があり旨味が増す
すずき Sea Bass 淡白で香りがのりやすい
ほうぼう Gurnard 高級感のある味わい
まこがれい Marbled Flounder 繊細で昆布の香りと合う
ひらまさ Yellowtail Amberjack 昆布でまろやかに